Splatoon3 ヒーローモード BGM メモ

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・「混沌」をテーマとした今作では、音楽でもさまざまな角度で「混沌」が表現されている。
・ヒーローモードのBGMでは生音と電子音の融合、新旧の音使いの融合や対比が随所で見られる。
・通常のバトルBGMとの対比から、基本はテクノサウンド中心ではあるものの、従来のヒーローモードと比較して生音もかなり取り入れられており、曲のジャンルがかなり多様化している。
・すり身連合のかかわるBGMは上記にとどまらず、キャラの出自にあわせた民族的な音楽を多く取り入れている。古今東西をそのままの形で一緒にしたような、まさにカオスな音楽になっている。

 

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・1,2のヒーローモードを強く意識した、愉快なテクノ。
・プロローグのクレーターのステージでのみ使用される。
・冒頭のタコのモチーフや規則的に刻まれるリズムムパート、8分音符を基本とする統制のとれたメロディーラインはOCTOTOOLの作風が強く現れている。特に、"Eight Legged Advance"との共通点が多い。
オルタナのBGMを効果的に魅せるため、あえて従来路線を強く表現した曲。
・しかし、中盤の声ネタを刻んだかのようなメロディラインや終盤のディレイラマなどはタコっぽいひょうきんな雰囲気を継承しつつも従来にない表現で新機軸を思わせる。

 

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・ハイテンポで近未来感のあるテクノ。
・主にヒーロー系ステージ、中でもアスレチックタイプのステージで使用される。
・テンションコードが多く用いられ、テンポも速いことから疾走感がある。
・電子音を基本とした曲調、OCTOTOOLらしいベースライン、サウンドエフェクトが多く鳴らされることから前作までのBGM、特に"Tentacular circus"を意識したものと思われる。
・しかし、変拍子であることや付点リズムを積極的に用いるなど、あまり規則的でないところがある。リズム隊は通常のテクノミュージックよりもドラムンベースに近い。ヒーローモードだけど、何か違う。そんなオルタナの雰囲気をうまく表現した曲といえる。

 

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・ファンキーなドラムとベースがリードする、ちょっと古めかしいテクノ。
・主にヒーロー系ステージで使用される。
・ビヨビヨしたシンセベースにゲートリバーブの効いたスネアドラムなどは一昔前の音使いを思わせる。
エレキギターやオーケストラヒットなど、電子音的でないところにも独特のクールさがある。
・最初の穏やかなシンセリードから終盤のサイバーなボイスまで、曲想はなかなかに豊かだが、リズムパートが基本的に一定であることとGF♯Eのモチーフが繰り返し用いられることから全体の統一感がある。

 

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・シャッフルされたリズムで刻む重厚なテクノ。
・主にヒーロー系ステージ、中でもじっくり進むタイプのステージで使用される。
・2種の音が重ねられた重厚なワブルベースにガツガツしたリズム隊。そこだけ聞けば、一見ダブステップ的なハードな曲調に思える。
・しかし、3連符のリズムとビブラートの効いた軽快なリード音。ワブルベースのヤイヤイとした愉快な響きを強調させ、メロディーラインを歌わせる後半部。そして少し間の抜けたメロディ。ハードさは微塵も感じさせず、オルタナの雰囲気に違和感なく溶け込んでいる。

 

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・ファンキーで落ち着いたローテンポな曲。
・じっくり課題を解くようなステージで用いられる。
・音数が少なく、数十年前のダンスミュージックのような音使い。
・しかし声ネタ的なものは一切使われず、木琴のようなプラック音もあいまって終始落ち着いた雰囲気が漂う。

 

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4つ打ちの疾走感のある曲。
・主にライドレール的当て系のステージで使用される。
・クラブミュージック的な音使いが随所に見られる。ローパスフィルターが徐々にあけられていくイントロに加え、サイドチェインされたパッド音などは確かにそれらしい感じ。
・軽快なクラビネットが一緒にサイドチェインされながら重なり、合いの手では小気味良いボンゴやブラスパートが挟まってくる。ニョロニョロしたボーカルパートがファンキーさを際立たせる。
・ドリアン旋法のもとでの9thコードなど、テンションコードを駆使した瞑想的なコード進行も特徴的。

 

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・「ベイベイ」という男性のスキャット音のような声ネタが印象に残る、ローテンポな4つ打ちの曲。
・主に要塞の中をじっくり進むようなステージで使用される。
・後半部はコード進行こそ静的だが、ボコーダーのようなボーカルパートが表情豊かに歌い、飽きさせない。
・前半部の図太いリード音や後半部のプラック音など、かなり電子音に寄っている。しかし裏で支えるストリングスとスネアドラムは生音系であり、特に後者はフィルインでかなり目立つ。

 

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・テレビのクイズ番組で使われていそうな曲。
・耐久、制限系のステージで使用される。
・絶え間なくなるシンセ音に生音系のリズムパートがリムショットで刻々と時を刻む中、全音階をなぞるベースパートが怪しげな雰囲気を醸成している。

 

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・重厚さとクールさを兼ね備えた、不思議な4つ打ちの曲。
・使われるステージに法則性はあまりないが、オクト系の特殊なステージが多い。
・前半は重厚なワブルベースに、何かを逆再生したような甲高いパッド音が重なる。アコーディオンのような妙な音色のメロディラインが怪しげに光り、ダークで冷たい雰囲気。
・後半は低音の効いたベースギターと麗しい高音のストリングスが参戦し、ジャジーなメロディーラインでクールに曲を盛り上げる。
・全体を通して他の何にも類似しない独特の空気感があり、作曲者の特別なセンスが感じられる逸品。

 

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・ヒーローモードのBGMという枠組みの中で最大限カオスを発揮した曲。
・使われるステージに法則性はあまりないが、オクト系の特殊なステージが多い。
・生音の打楽器をサンプリングした忙しないリズムパートを背景にパートがどんどん増えていき、ボルテージが徐々に上がっていく。これらは全音階を基本としながらもお互い全く干渉せずに自由に暴れ、かなり現代音楽的な様相を呈する。
・しかし終盤は一転して軽快で可憐なピアノ?パートが場を独占。それも、音質を敢えて下げることで古めかしい雰囲気をまとわせている。これで曲をしっかり纏め上げあげつつ徐々にテンションを下げながら曲がループする。
・今作のテーマである「混沌」をこの上なく表現しつつ、なぜか纏まりのある怪作。

 

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・オーケストラ楽器で奏でる、ハイテンポ・ハイテンションな曲。
・無敵感のある曲想にマッチして、スペシャルを駆使するステージで使用される。
・軽快なドラムパートにタンバリンやコンガ、合いの手のハンドクラップが乗っかり、 終始ハイテンションなまま曲が展開する。
・裏拍で盛り上げる掛け声やオペラのような男声パートが愉快な雰囲気をかもし出しつつ徐々に曲を盛り上げ、オーケストラパートが聖者の行進に良く似たモチーフを奏でて最高潮に達する。
・ヒーローモードによくあるオーケストラをサンプリングした音を基調としているものの、トランペット、ティンパニ、鉄琴などはサンプリング感がなく、ヒーローモードでは珍しくかなり生音に寄った曲。